活動紹介−議会活動

【11.11.15】 今どき名古屋と合併ですか?

坂江議員9月議会で主張 狙いは多国籍企業天国「中京都構想」

 坂江章演市議が全市的に配布している「市政レポート」2011年秋号では、9月議会の氏の質問骨子を紹介。
『「尾張旭再生計画」を市長に提案!』
『まず自立・独立の気概を』
『当市「単独経営」から「共生の道を」』
『大名古屋広域圏の構築を急げ!』
『自分の“地域”は自分で守る』など、
タイトルは勇ましい。

 要するに、名古屋市との市町村合併を市民が正しく判断できる中立的な情報提供を行うように求めている。
との内容で
「合併をタブー視し議論しないこと」は、いけないとの主張です。

 坂江氏の試案では、
警察署の誘致可能性が大きい。
敬老パスが使える。
議員や職員数削減で9億円の財源が生じ、
それにより例えば、介護保険料(約8億)
後期高齢保険料(約6億)
保育料(約3億)
など無料にできる額が生まれる。などというもの。

非現実的な名古屋との合併

 1999年から2010年までに平成の大合併で市町村の数は1504減り
1728自治体になりました。
 合併議論が賑やかだった数年前、尾張旭での名古屋市との合併を求める声は半数を超えない印象でした。当時、名古屋との合併を問われると

「合併は結婚と同じで、双方の合意が必要ですが、名古屋市民は尾張旭市との合併を望むでしょうか?」

「守山区が守山市だった頃、尾張旭市にも名古屋への編入を議論する機会があったそうです。もし同様に名古屋市になっていたら、尾張旭市は今のように発展していたでしょうか?守山区は最近になってようやく志段味の開発に手が付いたという印象ではないですか?」

などと聞き返していたものです。

 仮に名古屋市と合併して経費を削減できたとしても、他の地域開発に回るのがオチで、新参者の開発が後回しになってしまうのは、名古屋の歴史を見ても明らかではないでしょうか?

 全国的な市町村合併で、その弊害も明らかになってきた現在、改めて合併を求める政治センスは奇異に映ります。

 坂江氏は財政を問題にしますが、下の一覧(自治体ランキング)にあるように、尾張旭市の財政健全度は、全国809市区中83位、上位1割程度に入ります。

合併のメリット・デメリット

 9月議会の市の答弁では、市町村合併について市もこれまで合併論議について関心を持っていなかった訳ではないと、全国町村会による調査が紹介されました。

それによると、合併を選んだ自治体ではメリットとして
?財政支出の削減効果
?職員の能力向上。

デメリットは
?行政と住民との連携の弱まり
?財政計画との乖離、将来的な財政の展望が見えない。
?周辺部の衰退。

 合併を選ばなかった自治体ではメリットとして
?地域に対する愛着と責任感の共有
?身の丈に合った地域経営を意識
?手触り感のある範囲の確保。
デメリットは、財政の行方が非常に心配。

 もし、名古屋と尾張旭市が合併したら、周辺部の衰退地域になるのではないでしょうか?

 そもそも坂江氏のチラシには「尾張旭再生計画」「自立・独立」とあるのに合併推進とは!
全く支離滅裂な議論です。

堅実に暮らしやすい自治体を目指そう

 坂江氏が試案で示した、敬老パスが使えるようになったとしても、名古屋市営バスの路線がどれだけ広がるかは未知数です。
 市南西部はともかく、恩恵を受ける人は限定的ではないでしょうか?

 各種保険料や保育料が無料になるかのような議論は、同じ市内で尾張旭区域だけ無料にできるはずもなく、全く荒唐無稽の話です。

 警察署の設置は長年の市民要望ですがこれも見込みが薄そうです。
「大村知事に陳情したが財政難を理由に相手にされないのが現状」と青山県議(自民)がブログに書いています。
 県政与党=坂江議員の青写真が本物なら、坂江氏と同様の返事が知事から漏れても良さそうなものです。

 では、尾張旭市をどのように住みよい町にしてゆくのか?
(そもそも尾張旭市の現状が坂江氏の言う「再生」という言葉を使わなければならない状況なのか疑問ですが。)

 各地に産業誘致に夢を託し、苦戦している自治体があります。
例えば関西国際空港によって人口増を見込んだ泉佐野市は空港関連の人口増が、子育て支援策が充実した近隣市に行ってしまい、あてが外れたと聞きます。
そのような博打に走らず、名古屋の隣接市という地理的特性を活かし、子どもを育てやすい、老後も暮らしやすい、そのような自治体を堅実に目指してゆくのが良いと思います。

『中京都構想』=多国籍企業が儲ける仕組み作り

 大村愛知県知事や坂江議員の日本一愛知の会が掲げる「中京都構想」「大名古屋広域圏」とは何でしょうか?
 県知事のマニフェストや今回の坂江議員のチラシに共通するのは『「人・物・(お)金」を呼び込むための改革、仕組み作り』。そのための規制緩和などを進めようというものです。

 9月議会、坂江氏は市街化調整区域(農地など)の規制が緩和されたと愛知県条例を紹介。
周辺自治体には朗報だ、世界から優秀な企業を誘致する。と言い出します。
 過去の坂江議員の議会質問も、開発を促す内容が多く見られ、土建で利権をむさぼった古い自民党を思い起こさせることが度々。坂江氏の主張は今も相変わらずの印象です。

議員定数・議員報酬は落ち着いた議論を

 議員の人数が多い、報酬が高すぎる。などの声が聞かれます。
 そうした声を煽って人気を集める人物が目立ちますが、地方自治体の議会が、その機能をしっかり果たすには、どれだけの人数が適当なのか、参政権を担保するためには、どうあるべきなのか、冷静な議論を積み上げてゆく必要を感じます。

 民主主義の問題として、住民の努力も求められている課題です。

尾張旭市と周辺自治体のランキング

東洋経済新報社『都市データパック』2010年度版より。
全国809市区を比較した順位。
(震災の影響も有り、2011年度版にはランキング掲載無し)

      住みよさランキング    財政健全度
尾張旭市       92/809位     83/809位
名古屋市       69/809位     332/809位
瀬戸市        239/809位     106/809位
春日井市       82/809位     126/809位
日進市         2/809位     28/809位
豊明市        26/809位     75/809位
大府市        43/809位      6/809位
みよし市        1/809位      1/809位

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